2026/09/15

大聖堂でのインスタレーションを終えて思うこと


evala
《Holy Echo》

Ars Electronica Festival 2026
Mariendom Linz
https://seebyyourears.jp/news/evala-holy-echo-arselectronica2026/


オーストリアのLinzにある大聖堂Mariendomに、2026年9月10日から13日までの4日間、サウンドアーティストevalaの空間音楽作品が展示されました。

9日はアルスエレクトロニカのオープニングイベントのトリとして、ゲストにソプラノ歌手の田中彩子(https://ayakotanakaofficial.com/)さんを招いてのパフォーマンスも行われました。


1辺2mの小さな無響箱から広大な屋外、そして今回の大聖堂などどの様な場においても常にevala作品はその音だけでなくそこで体験する人にevala作品を感じさせてくれる。

場の響きがゼロであろうが6秒あろうが関係が無く、どの作品においても共通する"evalaのImmersive"が楽しめるのがすばらしい。


インスタレーションは場を利用した作品作りになることは言うまでもないが、場に負けてしまっては成り立たないし、勝ちすぎても場の意味が無くなる。

調和と融合がキーとなるわけですが、今回の大聖堂は毎日お祈りに来る市民もいれば大聖堂を見に来た観光客、アルスエレクトロニカに作品を鑑賞しにきている人など様々な人のいる公共の場。

その誰の邪魔をせずに作品としてあり続けるのはかなり大変なことではないだろうか?

夕方のミサまでの数時間、途切れることなく音は流れ続けるので、大聖堂を見に来た人やお祈りしている人にとってそれは大聖堂の日常ではなく、その邪魔になってはならない。

しかし恐らく邪魔になっていないと感じる。

音はしっかり出している。作品だから。

音量の話ではなく、場と調和し融合された作品なのか否かが重要。



サムネ写真の右側に立っている黒い服の女性は音を聴いている様子だった。

写真中央の奥で腰に手をやり歩いている水色上着と写真左から4番目の黒い服の男性はアルスの作品巡りをしている人に見えた。

中央の黄緑色の上着の人の3人グループと上に向かってスマホを構えているピンク色の上着の女性は観光客ぽかった。

その手前、手にスマホを構えて座る白髪の女性。

この人は大聖堂の様々な場所に移動しながら夕方作品が止めるまでずっと居た。


僕はこの日が滞在最終日だったので、来場者視点で作品を2時間程度一人で聴いていたのですが、途中からなぜか息苦しくなってくるという初めての体験をしました。

没入の副作用は人それぞれ、作品によって様々。


その場でしか知ることのできないサウンドインスタレーションの面白さ。

そのためのエンジニアリングの追求はまだまだ終わりが見えてきていないことを実感し安心している。