2021/02/18

HPL2 Processorプラグイン無料配布終了について



4年ほど前にリリースした
HPL2 Processorプラグインの無料配布を終了しました。

HPL2 Processorプラグインは、2014年からリリースされ始めたヘッドフォンによる音楽リスニング用のバイノーラル技術「HPL」により制作された音楽作品を聴いたリスナーの皆様から、「自分の好きな音楽をHPLで聴きたい」という多くのご要望があり、広く流通している2Mixの音楽音源に限り、お手持ちの音楽プレーヤーソフトウェアやDAW等でHPLプロセッシングが行なえるようにしたVSTプラグインです。

本来のサウンドを聴くと言う意味では、スピーカーモニタリングで作られた音源は、ヘッドホンリスニングにおいても同じMixバランスで再生されるべきであり、その事を出来るだけ多くの音楽ファンに体感してもらい、音楽をより楽しんでもらおうと無料配布としました。

あれから年月が経ち、音源制作だけで無く、放送や配信など様々な所でHPLを使っていただける様になり、音楽制作に対するバイノーラルの需要が高まりつつあります。
イヤホンで視聴することの多い配信では、音声はすべてバイノーラル化されていても良いくらいです。
そうなって来ると必要とされるのが制作用のプラグインです。

現在でも音楽制作ではProToolsを使う事が多く、対応したAAXプラグインでのHPLプロセッサーを望む声は以前からありました。

しかし、プラグインの開発に多くの時間を割くことは出来ず、それが自分のすべき仕事とも考えられず。
他にやりたい事はたくさんあります。

そこで、サラウンド制作の3Dパンニングプラグイン「3DX」を開発したNovoNotesブランドから、HPL2 Processor プラグインをリリースしてもらう事にしました。

NovoNotesではすでに3DXにHPLプロセッシング実装の実績があります。
であれば、HPL2 ProcessorもNovoNotesブランドで取り扱ってもらうのが、今一番正しい選択だと思いました。
3DXの立体的なHPLと、HPL2 Processorの2MixのHPLは、今後のヘッドフォンにおける音楽制作に大きな役割を果たしてくれると信じています。

これまでのHPL2 Processorプラグインは、音楽リスニングを目的としたチューニングがなされています。
新しいプラグインは制作を目的としチューニングを行っています。

どちらもHPLの音です。
しかし微妙に異なります。
特徴的なのは定位。
特にセンター定位、正確に言うとフロントセンターの定位は新しいHPL2プラグインの方がしっかりしています。

バイノーラルというと「広がり」と思うかも知れませんが、だからと言ってセンター定位が弱いと言うのはおかしな話です。
多くのバイノーラルプロセッシングはセンターが弱くサイドにしか空間が無い。
それは単なる中抜けです。

フロントセンターの定位がしっかりしている。
それは同時にフロント側に空間がちゃんとあることを意味します。
それにより、今まで以上にスピーカーモニタリングに近いリスニングが出来るはず。
つまりは音楽制作のMix作業をサポートし易くなると考えられます。

従来のHPL2 Processorプラグインの音もよいです。
捨てがたいです。
音楽リスニング用として十分に楽しめますので、音楽リスナーの皆さんはそちらを使い続けてもいいかと思います。

これから音楽制作にHPL2 Processorを活用しようと考えるプロエンジニアの皆さんは、是非新しいHPL2 Processorをお使いください。

新しいプラグイン「HPL2 Processor for studio」は3月6日NovoNotesより発売予定です。

NovoNotes